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Sou、誕生日に新たな表現力で魅せた3年ぶりのツアー『Sou Live Tour Solution 2022』

2022.08.25

Sou(ソウ)

Sou、誕生日に新たな表現力で魅せた3年ぶりのツアー『Sou Live Tour Solution 2022』
開演とともに客電が落ち、流れ始めたSE。ステージ前方の紗幕の中心に手をたたくポップなアニメーションが映ると、規則的に生まれる客席からのハンドクラップ。「よさそう」のリズミカルなイントロでSouのエネルギッシュな掛け声がロケット花火のように咲く。Souを描いたアルセチカによる水色をベースとした動画が映り、その一部として紗幕の向こうに現れたSou。


Souの24歳の誕生日である8月19日、豊洲PITにておこなわれた『Sou Live Tour Solution 2022』は、ボカロP・Chinozoをはじめ、豪華クリエイターによる書き下ろし曲を収録した最新の3rd Album『Solution』の収録曲を中心としたセットリストで構成された。




紗幕の向こうに佇むSouを水に例えて、波紋が広がっていくような生き生きとしたアニメーションが紗幕上を彩る。映像とSouが融合することで、見たことのないひとつの作品ができあがるライブならではの特殊なギミックに、心が湧く。リアルライブとしては、2019年8月に開催した初のワンマンツアー『2019 Summer Tour「深層から見た景色」』以来の3年ぶりのライブ。縦横無尽に動き回った2曲目の「グッバイ宣言」と同様に、爽快でポップなサウンドは、Souがこれまでに築き上げてきたマイペースな世界観に的確にはまる。音色、照明、映像が化学反応を起こして、そこはまるでおもちゃ箱のような光景になっていく。「よさそう」の大サビ前で「いくぞー!」と勢いを見せるSou。いよいよ紗幕が上がり、片腕を上げて歌う姿が見えた。背後のスクリーンにはMVが流れる。

「グッバイ宣言」が終わると、エネルギッシュなSouに全力で応えるように客席からはたくさんの拍手が起こる。同世代の歌い手の中でもみずみずしいオーラを放ってきたSou。一方であどけない中にあざとさが生まれる「トマドイリズム」から、大人になる過程での色めくSouが露わになる。



「6月に発売したアルバムのツアーということで、今日はそのアルバムの曲を中心に歌っていきたいと思います。最後まで楽しんでいってください」

歌詞のタイポグラフィがステージ上のいたるところへ順に縦表示される「Mrs.ヒューズ」に哀情を込めるSou。8bitのゲームを彷彿とさせる映像とSouの姿がシンクロした「大人になった」、Souの深みのある声が流れた「きゅうくらりん」へと続く。




ピアノの音色とSouの低い声のアンサンブルを聴かせる「からから」からは、「酔いどれ知らず」とSouによる新鮮な低い声が空間を泳ぐ。カラフルな照明が回るステージに流れた「ラグランジュ」。エフェクトがかかった歌声がこの場所を宇宙空間の箱へとワープさせる。さらに熱の入った声にボーカリストとしての芯の強さを感じる。Lo-Fiヒップホップ要素が強めの「ぎみぎみ」では、会場中をグラスとしてそこにSouの洒脱な歌声という名の炭酸水が注がれたかのように、その場は一杯に満たされていった。2019年に初めて自身が作詞作曲した「愚者のパレード」のときにはまだなかった色っぽさや柔らかさが生まれていると感じた。

一転してトリッキーなアッパーチューン「スパークバグ」に傘をさしながら挑むSou。この日は、アンコール含めて21曲を披露。前回の全世界に向けたオンラインライブ『Sou LIVE 2020 -UTOPIA-』から約2年間温存し続けていたパワーを一気に解放するようなSouの加速し続ける姿が最後まで印象的だった。スマートフォン向けMMORPG『コード:ドラゴンブラッド』の1周年記念コラボソング「ワンダーライフ」、同作品の2周年を記念した主題歌であり、歌い手・sekaiとのデュエット曲「sakura breeze」へ。Souは数々のボーカロイド曲の歌ってみた動画をあげているが、実際にライブに訪れるとジャンルの異なるさまざまな楽曲に適応できるボーカリストとしての表現力の幅の広さをあらためて思い知らされる。哀愁漂う言葉が和の音色で引き立つ「ユルシテ青蘭」「ハレハレヤ」のあとに歌ったSouの真骨頂を提示する壮大なバラードナンバー「心做し」以上のアンセムが生まれそうな予感。




「6月に発売したアルバム『Solution』の中のリード曲。本当に尊敬してやまない大好きな人に曲を書いてもらえた1曲なんです。この曲があるのはみんなが自分の活動を支えてくれたからだと思うので、これからも新しいことに挑戦したり、新しいものを作ったり、頑張っていきたいと思います」

川谷絵音が書き下ろした1曲「常夜灯」。最大限に引き出されたSouのメロウな雰囲気の歌声が、その場の空気を優しく撫でていった。アンコールは「神っぽいな」から。Souが作詞作曲を手がけ生ライブで初披露となる「ミスターフィクサー」、合いの手や振り付けを入れた「惑星ループ」「チューリングラブ」で幸せに包まれたまま、ライブは大団円を迎えることに。バンドメンバー紹介の中で流れ出したバースデー・ソングに「Happy Birthday to me!」と歌声を乗せる無邪気なSouの姿もあった。




「また会いましょう」と告げた帰り際に、少し足を滑らせ「格好がつかないな、最後まで。僕っぽいですね」とさりげなく言葉を置いていったSou。誰かの曲を歌う歌い手に徹し、新たな表現力をまとったことで、いつものSouが普段よりも一層輝いて見えた気がした。

【取材・文:小町碧音】







Sou Live Tour Solution 2022 SetList
2022.08.19 東京:豊洲PIT


1 よさそう
2 グッバイ宣言
3 トマドイリズム
4 Mrs.ヒューズ
5 大人になった
6 きゅうくらりん
7 からから
8 酔いどれ知らず
9 ラグランジュ
10 ぎみぎみ
11 スパークバグ
12 ワンダーライフ
13 sakura breeze
14 ユルシテ青蘭
15 ハレハレヤ
16 心做し
17 常夜灯

Encore
18 神っぽいな
19 ミスターフィクサー
20 惑星ループ
21 チューリングラブ


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